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大沼保昭会員 逝去のお知らせ

≪2018年10月21日掲載≫
 
本協会元理事長の大沼保昭会員(東京大学名誉教授)は、腎盂がんのため、10月16日に逝去されました。享年72歳でした。
 
大沼会員は、長年にわたり戦争責任や人権問題に取り組むとともに、従来の国際法学のあり方を根本から批判し、文際的国際法を提唱するなど、多くの優れた研究業績を挙げてこられました。
 
2007年のアジア国際法学会およびアジア国際法学会日本協会の設立の際には、中心人物の一人として大きな役割を果たされ、設立後は、アジア国際法学会の副理事長、理事、顧問を、日本協会の代表世話人、理事長、顧問を、それぞれ歴任されました。
 
大沼会員の本協会への多大なご貢献に感謝し、ご冥福を心よりお祈り申し上げます。
 


 
大沼保昭・元理事長を悼む
理事長 最上敏樹
 
 大沼保昭・元理事長が逝去され、あらためて強い喪失感にとらわれております。
 大沼教授は当協会ならびに、母体であるアジア国際法学会の設立と発展に多大の貢献をなされ、欧米中心ではない学会および学問の確立にひときわ強い情熱を注がれました。
 その点でのご貢献に加えて、何より学問的に世界に誇るべき業績を多く残され、とりわけ晩年に確立された文際的国際法の理論は海外でも多くの注目を集める画期的な業績となりました。さらにまた、いわゆる従軍慰安婦問題、サハリン棄民問題など、人権保障に関して精力的な活動をなさり、大きな成果を遺されたことも忘れるわけにはまいりません。
 かように大きな遺産を残して去っていかれた大沼教授に対し、心からの敬意と哀悼の意を表しますとともに、これらの貴重な遺産をたしかに受け継ぐ決意を新たにし、協会員の皆様にもその思いを共にしていただきたいと願うものです。