≪2016年7月19日掲載≫
6月14-15日、ハノイでアジア国際法学会地域大会 AsianSIL Regional Conference(中間会期大会 Inter-sessional Conference)が、町の中心部のMelia Hanoi Hotelを会場にして開かれました。両日とも日中は気温40度C近くまで昇りましたが、快適な会場内で、多数の参加者による報告と、熱心な質疑応答が行われました。
会議の主催者でもあるベトナム外務省から副大臣が、ベトナム外交学院から副総長が来賓として開会式で挨拶をしました。PAIK Jin-Hyunアジア国際法学会会長による、(国際)法による支配を中軸とした内容ある基調講演に続き、東アジア、南アジア、東南アジアを代表する副会長が、祝辞を述べ、初日午前から直ちにパネルに分かれて討論が始まりました。100名を超える参加者による活発な討論が2日間にわたり繰り広げられました。正確な数字はまだ発表されていないのでわかりませんが、半数以上は外国(18か国・地域)からの参加だと見受けられました。
準備期間が短かったので、十分なペーパーが集まるかどうか心配されていたところ(従前の中間大会はcall for paperをあまりしてきていません)、応募期間が短い割には多くの数を確保することができ、12のパネルに分かれて、それぞれ4-5人のスピーカーによる報告が行われました。日本からは、報告が採択された院生2人を含め6人が参加し、佐藤安信・日本協会広報委員長が、報告するとともに、最上副理事長と私が2つのパネルの座長を務めました。大会プログラムは大会のサイトに掲載されていますので、ご参照ください。内容的には、質の高いものもあると同時に、若干平凡なものも含まれていましたが、全体的には決して悪くなかったと言っていいと思います。会員ではない人の報告もかなり入っており、会員数増大を会長就任時に目標の一つとして掲げたPAIK会長にとって、絶好の勧誘機会となりました。最終日まで比較的多くの参加者が残り、強い印象を残したと思われます。全体会での総括セッションで、事務局長、企画合同委員長(LEE Keun-Gwanソウル大学教授と私)が、次回の隔年総会の案内(主としてLEE教授)と他の委員会(研究委員会、学会賞委員会)の活動案内(主として私)をしたところ、大会終了後直ちに私のところに、Interest Groupへの参加はどのようにしたらいいのかという質問をしに来る参加者がいて、学会の活動の活発化に手ごたえを感じました。
この地域会議(中間大会)は、ある意味では理想形に近い形で行われたということができます。というのは、前回のタイのように、中間年ではない、本大会がある同じ年に開かれるという特殊のものでなく、しっかりと狭間の年に開かれたこと、call for paperがなされたこと、企画委員会が主催国の実行委員会と協力して、abstractの選択も含め共同作業を行ったこと、などです。主催国実行委員長のThang NGUYEN-DANG理事の組織力と実行力は、高く評価できるものでした。
なお、大会開始前日の夕方理事会が開かれ、各種委員会の活動報告、進行中のハノイ会議の報告、来年のソウル大会の準備状況、その後の隔年大会の候補地、会員数増大、寄付などの点について審議されました。次回理事会は、2017年8月25日(金)・26日(土)に開催される隔年大会の前日(8月24日)に、大会会場であるソウル・ロッテホテルで開かれることが決まりました。
アジア国際法学会日本協会
理事長 吾郷眞一