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「ビジネスと人権」連続研究会 第6回

≪2026.8.24掲載≫
 


アジア国際法学会日本協会
「ビジネスと人権」連続研究会 第6回
 
 
AIと人権:テクノロジーと企業活動の新たな課題
 

 
AIの急速な発展は、企業の業務効率化や日常生活の利便性向上といったメリットをもたらす一方で、プライバシー侵害、アルゴリズムによる差別・偏見の助長、プラットフォーム労働の搾取等の新たな人権侵害のリスクを内包しています。特にアジアにおいては、AI開発を支えるデータラベリング労働者の劣悪な環境や監視テクノロジーの濫用といった特有の課題も顕在化しています。さらに、AIの軍事転用や、大量の偽・誤情報や誹謗中傷が拡散する情報空間の問題も国際的な懸念事項となっており、AIが大規模な人権侵害や武力紛争、民主主義の基盤の動揺を助長するリスクも指摘されています。
 
本セッションでは、AI・アルゴリズムによる個人の確率的評価と個人の尊重との関係、判断プロセスへの人間の関与(Human in the Loop)のあり方、情報環境の健全性を確保するうえでの企業の責任に加え、AI原則の実施をめぐる企業ガバナンスやサプライチェーン上の契約関係のあり方など、多面的な論点から企業による「責任あるAI」の実現可能性を検討します。
皆様のご参加をお待ちしております。
 
日時:2026年9月10日(木)18時00分~19時30分
 
開催方式: Hybrid 方式(会場参加またはZoomによるオンライン参加)
 
会場: TMI総合法律事務所 東京オフィス
〒106-6123
東京都港区六本木6-10-1
六本木ヒルズ森タワー23階
※東京メトロ日比谷線「六本木」駅 徒歩約3分(コンコースにて直結)
都営地下鉄大江戸線「六本木」駅 3番出入口より 徒歩約6分
東京メトロ千代田線「乃木坂」駅 5番出入口より 徒歩約12分
都営地下鉄大江戸線「麻布十番」駅 7番出入口より 徒歩約13分
 
報告者:
• 小塚 荘一郎氏 学習院大学法学部法学科教授
• 山本 龍彦氏 慶應義塾大学大学院法務研究科教授
 
司会・モデレーター:
• 礒井 里衣氏 TMI総合法律事務所 弁護士
• 河浪 潤氏 北浜法律事務所 パートナー弁護士

 


≪2026.9.24掲載≫
 


開催報告(第6回)

 
 
本研究会では、まず山本龍彦氏より、「憲法から考えるAI活用の『倫理』」と題して、憲法13条「個人の尊重」の四層構造(人間の尊厳、集団的拘束からの個人の解放、人格的自律、多様性の尊重)を基軸に、AIを用いたプロファイリング・セグメンテーションが個人を再び集団の中に埋没させ「個人の尊重」原理と本質的に緊張関係に立ちうること、アルゴリズムによる定量的意思決定と人間による定性的判断との質的差異、さらにヒューマン・イン・ザ・ループの限界と「責任スポンジ」問題(ハイブリッド型意思決定において人間が形式的に責任を吸い取るだけの存在となるリスク)などの論点についてご報告いただきました。
 
続いて、小塚荘一郎氏より、「『AIと人権』の企業組織ガバナンス」と題して、コーポレートガバナンスとコントラクトガバナンス(サプライチェーン上の契約関係に基づくガバナンス)のパラレルな分析枠組みの提示、コーポレートガバナンスの手法のサステナビリティ・AIガバナンスへの応用、AIバリューチェーンの特殊性(上流の基盤モデル開発セクターが寡占状態にあり、従来のサプライチェーンとは力関係が逆転し上流側に力が集中する構造)、AI事業者ガイドラインと「AI利活用における民事責任の解釈適用に関する手引き」との比較に基づくAI利用者およびAIシステム提供者の注意義務の分析、AI利用企業やAI提供企業における3線モデルを活用した具体的なガバナンス体制の構築などについてご報告いただきました。
 
質疑応答においても、AIの価値判断基準の透明性やマイノリティの権利保護の在り方、人格的自律に関わる情報の取扱いにおける日本企業への示唆等に関する質問やコメントがあり、参加者と報告者との間で充実したディスカッションが行われ、大変有意義な研究会となりました。
 
*当日の資料は会員限定情報のページに掲載されております。