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アジア国際法学会地域大会(ダッカ)報告

≪2014年9月1日掲載≫

 

アジア国際法学会地域大会(ダッカ)報告

 
 8月22-23日ダッカでアジア国際法学会地域大会 AsianSIL Regional Conference(中間会期 Inter-sessional Conference)が開かれました。
  
 AsianSILのバングラデシュ支部(Bangladesh Chapter)の創立総会も兼ねており、アニスル・ハク法務・議会省大臣を来賓に迎え、スラキアト・サティラタイAsianSIL会長を座長として盛大な開会式が行われました。なお、来賓にはICJの小和田判事も予定されていましたが、体調不良により参加が叶わず、長文の挨拶文がプロジェクターに映し出された判事の肖像写真の前でチェスターマン事務局長により代読されました。初日午後のセッションには、最上日本協会副理事長が座長となった難民・移民法パネルがあり、4人のスピーカーが発表しました。翌日の午前のセッションでは荒木日本協会事務局長のプレゼンテーションを含む5名の報告者からなる国際貿易・投資法パネルと、3人の報告者による国際環境法パネルでの発表・質疑応答が行われました。結びのセッションでは、AsianSILの3つの地域を代表する副会長(東アジア代表の私を含む)と事務局長が会議を総括しました。会議を準備し、成功裏に導いたボルハン・ウディン・カーン教授(AsianSIL南アジア代表副会長・バングラデシュ支部理事長)への賞賛の辞が多く述べられました。
 
 中間会期ということでペーパーの数もさほど多くはなく、パラレルセッションがおかれることなくすべて全体会で行われましたが、報告の質は高いものが多く、内容的には充実したものとなった感があります。会議の報告がまだ出ていませんので厳密な数はわかりませんが、海外からの参加者約50名、国内参加者約150名というところだったと思います。
 
 会議終了後、理事会が開かれ来年のバンコクにおける隔年大会の準備状況が説明され、暫定的に11月26-28日の間、プラザアテネホテルを会場として開かれる予定であることが伝えられました。その他、研究企画委員会について、Asian Journal of International Lawの刊行状況について、会員の状況、財務などについて審議され、2017年の隔年大会はソウルで開かれる予定であることが、韓国の理事から表明されました。その前の中間会期(2016年)はベトナムで行うことが可能か、ベトナムの理事が検討するということになりました。また、バングラデシュ支部からは、2021年の隔年大会を主催したいとの意図表明がありました。
 
 日本からは私のほか、大沼理事代行の最上日本協会副理事長(AsianSIL RPC共同委員長)、国谷日本協会副理事長(AsianSIL会計主任)が参加し、それぞれの担当分野について意見表明・質問をしました。いつものように荒木日本協会事務局長はオブザーバーとして理事会に参加しました。なお、最上副理事長はRPCおよび雑誌編集委員会に出席しましたが、来年度大会におけるペーパーの選抜手順や、大会の実施方法にも改革が加えられる見通しになりました。
 
アジア国際法学会日本協会
理事長 吾郷眞一